災害リハビリテーションに関する調査!作業療法士の役割とは?

JOCVリハビリテーションネットワークは青年海外協力隊リハビリテーション職種のOB、OG会です。当会では5年以上かけて、災害リハビリに関する研究会などを開催しています。今回は作業療法士の災害リハビリに関する文献調査を行いましたのでその報告になります。

日本は地震の多い国です。近年では1995年に兵庫県でマグニチュード7.3 、2007年に新潟県でマグニチュード6.8の地震がありました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録しました。この東日本大震災では津波と火災で多くの被災者が出ており、翌日に原発爆発の発生で避難指示も発令されました。

私たちJOCVリハビリテーションネットワークでは、東日本大震災直後から現在まで被災者支援活動を行っています。

JOCVリハビリテーションネットワーク二本松

この支援を行うにあたって、これまで日本の作業療法士はどのような災害支援活動を行ってきたのかを文献調査しました。すこし古い内容ですがご紹介させていただきます。

調査目的

調査目的はこれまで日本の作業療法士によって実施されてきた大規模災害後の被災障害者支援について事例を集約し、支援内容の分析をすることで、これまでの大規模災害時に作業療法士による支援活動内容を整理することでした。

調査方法は医学的文献データベースを用いて、1995年~2011年の日本の作業療法論文から災害支援を扱った論文を抽出しました。

検索結果

検索結果では災害支援を扱った論文は103編ありました。

内容を吟味したところ、作業療法について記された災害支援論文は28編の論文でした。

その分類は

支援活動報告10編、

追跡調査・アンケート11編、

災害の備えへの提案・提言7編

となりました。その具体的な内容をいくつか報告します。

支援活動報告

「支援活動報告」活動時期:震災直後~ 9編  

対象:

虚弱高齢者・要介助者への支援

内容:

1)生活不活発病の予防

2)生活支援を焦点としたチーム派遣

3)保健所・作業場支援

4)ネットワーク作り

5)居住支援(避難所や仮設住宅)

6)精神的ストレスに対応

7)人と交流する場の提供

追跡調査・アンケート

「追跡調査・アンケート」追跡調査では、調査期間は震災直後・半年後・1年後・最長2年後まで 

対象・内容

1) 4~6歳児とその親(心身への影響)

2) 高齢者・障害者(PDST,BI,ESCROW Profileなど)、

3) 被災地OT(仕事環境、支援活動について)

「災害の備えへの提言」

内容:

1)情報収集手段の確保

2)防災・地震想定訓練(地震発生時の行動・対応、地震発生初期の支援)

3)地域ネットワーク構築

4)地域リハビリテーション構築

5)災害時支援システム構築化

6)福祉と医療の連携

この調査で、これまでさまざまな時期・場所で散発的に作業療法士による支援は実施されており、その有効性もあると分かりました。

しかし、体系立てられた支援には至っていませんでした。

作業療法士を災害支援に効果的かつ効率的に活用するには、災害支援ガイドライン、他機関とのネットワーク作りや人材バンクの設立が必要であると思われました。

また震災後の復興に長く関心を持っていくために各地域の作業療法士による震災支援の活動を行うことも重要だと考えられました。

執筆者:JOCVリハビリテーションネットワーク 森下 賀子

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