災害リハビリテーション!リハトリアージの考え方

災害リハビリテーションというと特別なことを思い浮かべる人もいるかもしれません。災害時の救急医療に関わるリハビリテーションは、海外のICUで働く理学療法士の様にリスク管理の知識が十分に必要であり、適切な身体状況の判断であったり救急救命の技術が求められます。

一方で、災害前に近い生活であったり、よりQOLの高い生活に向け、心身の準備、環境設定を行っていくのは普段の病院や施設、訪問でのリハビリテーションとなんら変わりはありません。

災害特有のリハビリとは?

変化することと言えば、

災害の衝撃が強いこと、

生活が激変すること、

疾患を持たない高齢者や多くの人が一変に対象になること、

整った環境でのアプローチに時間がかかること

でしょうか。

災害直後で多数の避難者がいる時に、その中から対象を見つけ、普段の様にリハビリテーションアプローチをすることは非常に困難な状況となります。

しかし、命からがら逃げた疲労感の中で食事も水分も十分に取れない飢餓状態を体験し、

家族や友人を亡くした衝撃で精神的に辛い思いをすることでジッと心身の癒しを待つうちに、

身体機能があっという間に衰え、動けなる人々を目のあたりにし、危機感を覚えました。

特に災害弱者と呼ばれる高齢者、障害者、子供、妊婦をはじめとする女性は健常な人と比較し、低下のスピードが速く、早期から何らかの援助が必要となります。

認知症や知的疾患の方は環境の激変により、不安定となり、症状の悪化がみられていました。

生きることが苦になり、自ら亡くなる方、病状の悪化や発症による死亡、これら災害関連死は今回の震災で3千人ほどおられます。

災害によって生じるこれらの状況をできる限り予防し、何年後か先の平穏で充実した生活に向け手助けをしていく仕事、それが災害リハビリテーションの仕事であり、全てのリハビリテーション職ができる仕事であると思います。

リハトリアージとは

多数の人を対象としたアプローチが災害直後には必要となりますが、まず災害直後の避難から早期に心身の状況から医療施設、介護を受けられる避難所、一般避難所へ人を割り振るリハトリアージⅠを行う必要があります。

リハビリトレナージ1

そして、介護の受けられる避難所でも援助者に負担無く、適切な介助の分配がされるようにリハトリアージⅡを実施します。

リハビリトレナージ2

避難所の環境設定には静岡県が開発した「避難所HUG」でのシュミレーション、赤十字とNGOが開始した「スフィアプロジェクト」も参考になりますが、衣食住を1か所にしない取組が成果をあげています。

通常時の在宅での関わりで最も理想的な「生活動作の中で身体維持ができる」環境を避難所でも作り上げることが大切となります。

そしてその中で安心して生活ができるプライバシーの確保も大切になってきます。

次の生活の場である仮設住宅、復興住宅への移動は家族や親せき、ご近所等ひとくくりの移動が重要だとされています。

集会所の設営、コミュニティ再建の取り組みは今回の震災でも注目されています。

海外での支援は骨折・脊髄損傷・頭部外傷などの患者に対する支援が主となり、

① 医療施設や介護が受けられる避難所でのグループリハ介入、

② 現地スタッフ・家族の育成、

③ その後の施設建設に伴う環境設定の介入、

④ 施設での長期的な個別介入、

⑤ 自宅復帰に向けての介入

などが行われています。

特に発展途上国では家族が病院入院中より介護を続けることが多く、早期からの家族教育が大切になってきます。

また人手がある分依存的になってしまう患者さんも多いため、ピアカウンセリングなどとともに精神的な自立を促し、心身の維持向上を図っていくようなアプローチが重要です。

災害の中でも生活をみる必要

このように災害リハビリテーションの内容は非常に多岐に渡りますが、対象となる方が次の新たな生活に向かって動き出せるように、支援者が幅広い柔軟な思考と行動力で黒子となって支えていくことが理想的な支援の形ではないかと思います。

国際医療福祉大学小田原保健医療学部 理学療法学科 講師 

JOCVリハビリテーションネットワーク代表 三浦 和

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