青年海外協力隊の帰国後の就職実態について考える!
青年海外協力隊に行ってみたいけども、帰国後の就職が不安…
そんな方は結構多いのではないでしょうか?それはそうです。現職でなければ、派遣中は
無職になります。派遣中はJICAという肩書きがあるので、何か守られた、またそれなりの
身分保障をされている気になりますが、任期が終了した瞬間に無職になります。
クレジットカードも契約できない帰国後すぐ…
私もその一人でした。帰国してまず何がショックだったかというと、クレジットカードの契約ができない…アパートの部屋もかりられない…と、仕事がないというのは、こんなにも社会的に弱い存在になるかというのを痛感させられたことでした。
私は資格があったので、この後すぐに就職できたのですが、ここでは青年海外協力隊員の帰国後の進路の実態はどのようになっているのか?ということを考察していきます。
青年海外協力隊員の進路データ
まずはJICA公式ホームページで紹介されているデータを見ていきます。
2013年度帰国ボランティア進路状況(回答719名)
就職 56%(400名) 現職参加復帰 24%(173名) 進学:復学 9%(66名) アルバイト・非常勤 6%(46名) 家事手伝い等 5%(34名) JICAボランティアホーページから抜粋
となっております。意外としっかり就職できているなというのが正直な感想です。しっかり就活すれば、就職ができないということはなさそうですね。
さらに就職された方400名の就職先は
就職先内訳(回答400名)
民間企業 39.9% 公益法人 20.5% 地方公務員(教育職) 11.5% 地方公務員(一般職) 7.5% JICA関係 7.5% 国家公務員 6.8% NGO・NPO 4% 自営・企業 1.3% その他 1.3% JICAボランティアホーページから抜粋
となっております。公務員が約25%をしめていることが分かります。
公務員が多いのはなぜ?
さらにJICAや公益法人なども含めると、公務員も含めて50%が公益性の高い職場に就いていることが分かります。
やはり公益性の高い職場では、青年海外協力隊のような海外ボランティア経験が優遇される可能性があることが考えられます。
実際に公務員では、協力隊枠を設けている自治体も増えてきています。
東京では、2020年のオリンピック開催に向けて、グローバル人材を活用するということで、協力隊経験者は試験まで優遇されるような枠組みも設けられおてり、積極的に採用しているようです。
この就職先の中で以外だったのは、NGO・NPOが4%と少なかったことです。もっとたくさんいるかと思いましたが、民間企業や公務員と比較すると給料が低い傾向があるので、意外と少ないのかもしれません。
医療職は困らない?
ちなみに職種別で言うと、資格を持っている医療職などは就職には困らないような話は聞きます。
正確なデータがないのではっきりしたことは言えませんが、私の周りの経験者で就職ができないという話は聞いたことがありません。
もちろん、選ばなければ…ということなのかもしれませんが、それはどこの業界でも一緒のことです。
ただ逆説的に言えば、協力隊経験が特に優遇されることもないとも言えます。
最終的には、自分の売り込み方、すなわち、履歴書上の経験ではなく、
海外経験をした自分の魅力をいかに表に出せるか?
ということに尽きるかと思います。
実際に業績を出している方は、経験が活かされるようなポストにつかれています。
最近は病院などもグローバルな視点で経営されている所も増えてきているようなので、そう
いったところでは青年海外協力隊員が魅力的に映るかもしれません。
人脈は可能性を広げる
最後になりますが、最近帰国されたバスケットボール隊員の方の就職が決まった時のコメントを
ご紹介させて頂きます。
“スピード就職の秘訣は、ずばりコネです”
彼は帰国して2ヶ月で就職先が決まりました。就職にはやはり人脈がモノを言います。
これは資格があっても同じです。
協力隊派遣中から積極的に情報を発信し、
様々な方と繋がっていく中で、
面白い話をいろいろ紹介してもらえる
という世界が実際に存在するものです。