中塚OTによるネパールの街の福祉事情

नमस्ते(ナマステ)~。ネパールから作業療法士の中塚と村落開発普及員の柳田の2人でお届けします。

私、中塚の任地のバクタプールという街では、家も建物も街の通路も全てレンガ造り。これは古い王朝の建築様式の名残りなのですが、障がいをもった方々を街でよく見かけます。杖をもった方、車いすに乗っている方、などなど。しかし、発展途上国ならでは?なのでしょうか。私の配属先である障がい者施設の前に、地獄のような坂があるのです。地獄坂を自力で通れない人は自動的に要介護状態。う~ん、なんとも理不尽に思えるのは私だけでしょうか。

村落開発普及員として、障がい者手帳の普及を目的としてシャンジャで活動を行っている私、柳田は、様々な障がい者手帳に関する問題点が見えてきました。
私達が住んでいるネパールという国では現在、障がい者手帳の普及が国内で重点的な取り組みとして実施されています。そこで、少しネパールの障がい者手帳に関してご紹介したいと思います。

ネパールでの障がい者手帳は4種類あります。赤、青、黄、白と色に分かれ、それぞれ効果が違います。

赤:支給金1000NRS(約\1000)(日本での重度要介護者)
青:支給金500NRS(約\500)(日本での中等度要介護者)
黄:支給金500NRS(約\500)(日本での軽度要介護者)
白:支給金0NRS(約\0)(日本での要支援者)

しかし、現状では多くの障がい者の方々がこの支給金をもらえていません。原因は、省から村役場に予算が下りてきていないなど様々です。しかも、もらえているのは、赤の1000RSだけなのです。青、黄色ももらえるという話はありますが、現実には赤の人しかもらえていません。

発行するためには以下の書類が必要になります。
これらを各郡の女性子ども事務所に提出。(各郡によって発行日が異なるので、行く前に電話で問い合わせ必要。)
障がい者本人を連れてくることが必須になっていますが、不可能であれば代理人であっても発行可能です。

必要書類
1.住民票のコピー(16歳未満は出生証明書のコピー)
2.村役場または市役所の推薦状
3.病院の推薦状
4.写真3枚

しかし、ここでまた問題が。それは、村に住む方々の多くは、片道4時間かけて家から村役場まで来なければなりません。書類の不備などがあると訂正後の次回の書類提出日は半年後になってしまったり。書類の管理が苦手な方々が多いのはなぜなのでしょうか?

手帳には割引サービスがあります。
公共交通機関(ローカルバス)での運賃の半額割引
公立学校の生徒には文房具贈呈
病院診察の割引

しかし、これらは法律となる前段階(条例の状態?)で言われています。
法律ではないから、守らなくてもいいそうです。問題ですよね。

また、このサービスのみでは十分ではないのが現状です。医療費、自分に合った衣類・日用雑貨購入費などは自己負担となり、小児であれば授業料も必要となるでしょう。ローカルバスでは不便なときは高額なタクシー利用によりさらに出費が増えることでしょう。家庭の経済力に見合わない支出の増加を考えると、医療福祉サービスを受けることに家族が渋ることも分かるような気がします。

私たちから見た障がい者が直面している問題
・手帳申請方法が多くの国民に伝わっていない。
・手帳を発行してもメリット・サービスがない。
・地方では障がい者のための学校や働く場所が少ない。
・「障がい」についての理解が浅い。知る・学ぶ機会がない。

ネパールでは王制が廃止されて約6年が経過しましたが、まだまだ障害者にまつわる課題が山積している状況です。ネパールに介護保険のような障がい者を支援するためのサービスが登場するのはいつになるのでしょうか。

暗い話題にはなりましたが、ネパールの障がい者の方々の中には、逞しく生活されている方も多いのです。自分の活動が彼らの笑顔につながっていることを願って、今日も行ってきま~す。それでは、皆さん、フェリベト~ン(また会いましょう)!!!


第3回ネパール中塚

 

第3回ネパール中塚②

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