上野PTによるマラウイのコミュニケーション事情 

Muli Bwanji?(ムリブワンジ?)ご機嫌いかがですか?マラウイから理学療法士の上野がお届けします。

今回のテーマは「コミュニケーション」です。マラウイはWarm heart of Africaと呼ばれるほどであり、人々は親切でかつフランクな国であると実感できるところです。村道を歩いて挨拶をすれば笑顔と挨拶が返ってきて、道を尋ねると人々は歩みを止めて親切にも目的地まで連れて行ってくれることもしばしばです。

しかし、これらはもちろん大人の対応であり、子供が見せる反応は多少違ってきます。現在私は小児リハビリに関わっていることもあり、多くのマラウイアンの子供とコミュニケーションをとってきました。大概のアフリカの国はそうかもしれませんが、子供たちにとって、やはり私たちは「外国人」であり「肌の色が違う人」であるのだと思います。そんな私たちに対して子供たちが見せる反応は2つ。「アズング!(外国人!)」と声を出して近づいてくるか、泣きながら母親の陰に隠れるか、です。

郊外の村落で見かける子供たちの反応の多くは前者であり、「ハロー!ボー?(現地語でボーはフランクなhow are you?)」と手を振ったり後を追いかけてきたりします。村落の子供の多くは英語を話せませんが、私たちが片言の現地語で話しかけると非常に喜びます。また、カメラを取り出すと一枚でも多く撮ってとばかりに寄ってきます。

一方、私の配属先である首都のカムズセントラル病院で見る多くの子供は、後者の反応を見せます。理由はおそらく、病院という環境が大きいと思います。病院の雰囲気が好きな子供はいません。子供たちは私たちのことを「何か不快なことをしようとしている人」として認識し、かつ外国人が相手となると、なかなか気軽に会話をしたり遊んだりすることはできません。

リハビリも同様で、初回診療で私たちのやりたいようにやらせてくれる子供はなかなかおらず、最初は泣きわめいて終わりということもあります。しかし、診療が2回、3回と続いていき、体の回復が伴ってくると、その反応も徐々に変わってきます。初回では母親から離れただけで泣き出していた子供と、いつの間にか一緒にフットボールをしたりしているのです。笑いかけてくることも増えます。そういったことを実感する度、もともとのマラウイアンの温和な気質やWarm heart of Africaが遺伝子レベルで受け継がれているような気がしてなりません。

マラウイに来てから小児リハに関わり始め、分からないことや自分の実力の無さを痛感することが多いのですが、こういった子供たちの笑顔が増えることがいつの間にか自分のモチベーションの基となっていることに気づきました。日本のような先進国では治療・回復可能な症例も、マラウイではそれが上手くいかないことも多く、障害が長期に渡って残ってしまうことが予想される子供も多いです。救えない命があることも事実です。

でも、その中で、多かれ少なかれ自分たちリハビリ職種が関わった子供たちが元気に歩き回っている姿を見たり、母親が「子供が喋り始めた」「ご飯を食べ始めた」と現地語で嬉しそうに伝えてくれたりすると、自分たちがここにいる意味が少しでもあるのだと感じられます。次の世代にもWarm heart of Africaがしっかりと受け継がれていけるよう、それをリハビリという側面から支えていけるよう、できる限りマラウイに働きかけていきたいと思います。

では、今日はこの辺で。Tionana!(またね!)

第4回マラウイ上野①第4回リハレポ上野②

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