リハレポ175号 現地の方にかけられたあの一言 ドミニカ共和国橋本PT

¡Hola! ¿Cómo te sigues?(コモ こんにちは。ドミニカ共和国から理学療法士 橋本がお届けいたします。

今回は、私が職場の同僚と交わした何気ない会話がとても印象に残っているので、紹介させていただきます。

私が活動しているドミニカ共和国は、アメリカ合衆国にとても近い場所にあり、ニューヨークまで飛行機でおよそ4時間で行くことが可能です。

そのため、より良い労働環境や雇用条件を求め、多くのドミニカ人がアメリカへ移住し、仕事を得ているという話を多く聞きます。渡航者に制限がかけられてはいますが、セラピストの間でも国外での就業の希望はよく耳にします。

私の配属先では、スタッフの退職や交代は頻繁に行われています。知らない間に誰かが退職しており、驚いたこともありました。活動も1年が経過した頃、ちょうど同僚PTのマリア(仮名です)が、ご家族の都合で渡米が決まりました。彼女は、私に積極的に話しかけてきてくれたり、自分がリハビリを行っている所に私を呼んでくれたりと、「協力者」のような存在でした。そんな彼女が、アメリカへ行ってしまうと聞き、私は、行かないでほしい、という思いでした。マリアは、ドミニカ共和国は好きだけれど、いつかは行かなくてはならない、と話していました。

そんな時、私は同じ部署の同僚アンジ―(これも仮名です)とマリアの渡米について話をしました。

私「マリアがもうすぐアメリカに行ってしまうね。」

アンジ―「そうねぇ。」

私「寂しくなるね。私は彼女が恋しくなるよ。」

アンジ―「でも、これは彼女にとって良いことよ。」

とても簡単な会話でした。しかし私は、この会話で、自分の視野の狭さに気づきました。彼女の人生からすれば、渡米は新たな知識や技術を得られるチャンスであり、誰もが望んで得られるものではありません。もちろんマリアとの時間を過ごすことが楽しく、それで寂しさを感じていたことも事実です。しかし、自分の活動ばかりを考え、活動に協力してくれていた彼女の存在がいなくなることを恐れていた自分がいたことにも気がづきました。

私は、協力隊に参加する前から、相手の立場を理解すること、相手の目線で考えることは、活動する上で忘れてはいけないと思っていました。しかし、異なる文化のある中でそれを実行するということが、想像以上に難しいものであるということを痛感しました。

ドミニカ共和国には、隣にあるハイチからも、多くの人が仕事を求めやってきています。ハイチ人のPTも、いつかは母国に帰りたいと話しています。私の活動している配属先は、複数の国籍を持つ彼らにとって一つのポイントにすぎない可能性もあるのです。そのため活動では、常に変わり続けていく配属先と、現在在籍しており今後様々な方面へ歩んでいくセラピストの、どちらへ向けて行われている活動なのかということを意識して取り組むようにしています。

私の残りの任期は約9ヶ月です。現時点でも、まだまだ視野は狭まっているのではないかと日々自分に問いかけながら活動しています。日本と異なる環境で通用しない事も多くありますが、今までやってきたことが生きたこともあります。今後も、この国の人々にとって、どの形が一番最良な方法になるのかということと、自分の出来ることを、丁寧にすり合わせながら、活動していきたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。¡Nos vemos! またお会いしましょう。

7-5 ドミニカ共和国橋本さん

 

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