青年海外協力隊理学療法士がニカラグアで日本の経験が活かせた瞬間!
Buenas tardes (ブエナスタァルデス)こんにちは。ニカラグアから青年海外協力隊l、理学療法士の山田がお届けいたします。
ケアの質の違い
今回のお題は日本の臨床技術が生かせたと思った瞬間、ということですが、数少ない中にも、瞬間としてそのように感じることはあります。
その反面、自分の至らなさを痛感することはその倍以上なのですが。さて、こちらに来てよく感じることの一つとして、日本と海外におけるリハビリテーションならびに他医療のケアの質の違いがあります。
所違えば、日本にある道具や機材がないなど、物質的な差があるのは仕方がないと考えますが、ケアの質に関しては、その物質的なところの違いによるものとは一緒に結び付けたくない、と思うのです。
写真1 コミュニティーの家族向け勉強会 実技を多く構成した
身体の触れ方
例えば、臨床の一場面での、患者さんに対する他動運動の速度や、身体の触れ方についてです。私が偶然にも出会い担当させてもらってきた患者さんの中には、病院ではこんな風に触ってもらえなかった、このマッサージはあなたの国の技術なの?などと言う方が多いのです。
大げさに感じるかもしれませんが、事実として、我々が日本で学んだ身体の触れ方や動かす速度などの基本の学びは、他の国ではあまり大切なこととして各セラピストの中に残っていないようなのです。
これは一つとして、日本の患者さんを想う繊細なケアの質が根本に活きてきているのだと思います。
日本では、実習などの学びの時期から、臨床での実際に働き経験を積む時期、すべてを通じて、患者さんが、どのような主訴を訴えて、どのように苦しんでいるのかをまず知ろうと試みます。そして我々医療者側が発した言葉、行った事に対してどう感じるかを常に察するという取り組みは、診療の自然な流れと思われます。
またもう一つとして不必要に生じた痛みが生み出す不利益に対する学びがここでは臨床に活かされることが少ないのだと感じます。
写真2 写真1と同勉強会、各グループでのプレゼン中でどのように評価するか実演してもらっている風景
痛みへのケアは世界共通のはず
痛みはもともと人間の防衛機能として大切な役割を生じますが、他者により不必要に与えられた痛みは、結果として過敏な反応形態を患者さんに残してしまったり、精神的な不信感を生むなど、不利益を被ります。
しかしながら、所違っても、身体の物理的な痛みと、また心・精神面に関する痛みをカバーすることがどれだけ大切かということは同じ、世界共通の理解と考えます。
そのため、ここニカラグアでもその一要素としての患者さんへ対するケアの気づきを引き続き、配属先同僚と共有していけたらいいなぁと感じています。
それでは今日はこの辺で。Nos vemos(ノスベモス)