途上国で10ヶ月どんなことをしてきましたか?セントルシア井土PT!

Good Afternoon?(グッド・アフタヌーン?)こんにちは。岩手県宮古市から元セントルシア隊員理学療法士の井土がお届けいたします。

帰国して3ヶ月が経ちました。協力隊隊員としての10ヶ月間の活動を振り返ってみたいと思います。

私が受けた要請内容は、北部地域での訪問による理学療法サービスの提供と同僚である地域保健助手や患者本人、家族への教育・指導でした。

セントルシアでは人口約17万人に対し、理学療法士は外国人を含め12名のみしかおらず、かつその半数はプライベートクリニックで働いているため一般の方に理学療法を届けられる機会がとても限られていました。

そんな状況なので、地域住民の方々はそもそも「理学療法」を知らない。保健省や地域保健助手も「体操の先生」「マッサージの先生」程度の認識です。(これは日本でもそうかもしれませんが…)
セントルシア国で働く理学療法士も物理療法や徒手療法が主体であり、「病院で理学療法を受けても全然良くならない」という声も聞こえていました。

そこで行ったのは、理学療法の普及活動と現地理学療法士の技術支援です。

まず「変形性膝関節症」と「脳卒中」についてのパンフレットを作成しました。この2つの疾患が訪問活動をしていて最も多く、ADLを低下させる要因となっていました。日本のようにテレビや雑誌を通して健康に関する知識が入ってくるわけではないので、まずは「どうして膝が痛くなるのか」「どうやったら麻痺は改善するのか」をパンフレット内で説明しました。

ちなみに、脳卒中患者の平均入院日数は3日です。全身状態が安定すれば退院し、自宅で寝たきりです。一昔の日本のように、「動かしてはいけない」「寝てれば治る」という認識が一般的でした。

次に、現地で働く理学療法士に対してワークショップを開催しました。日本発の技術である「キネシオテーピング」を用いて、日本の技術を伝えつつ、「評価―仮説―治療―再評価」という過程について話をしました。

機械的に行うのではなく、臨床推論を通すことで「治療結果が出やすい」ことを実感してもらい、そのことによる理学療法士自身の自信やモチベーションが高まることで「理学療法が楽しい」ことであると共感してもらいました。理学療法士自身が楽しく自信を持って働いていればきっとそれは地域住民にも伝わります。

セントルシア理学療法士協会も発足し、WCPT(世界理学療法士連盟)への加盟申請も完了しました。あとはセントルシア人の力で職能団体として社会的な地位を模索していく必要があります。日本の理学療法の技術や知識を示したことで、協会長やその他の会員にも進むべき方向性を示せたのではないかと思います。

私の場合は10ヶ月という短い派遣期間であるので、すぐに結果が出るようなことはほとんどできませんでした。なので、「きっかけ作り」を中心に意識して活動しました。

2015年にシンガポールで行われる世界理学療法士学会での再会を予定しているので、その時にまた進捗状況を聞かせてもらうのが楽しみです。

私自身、今は東日本大震災の復興特区での訪問リハステーションで活動しています。震災から復興する日本の姿や高齢社会における理学療法士の活動モデルをしっかりと示せるように努力してまいります。

10ヶ月間、ありがとうございました。またどこかで。See you again!

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