タイ伊藤PTによる協力隊の2年間の活動報告

สวัสดีค่ะ (サワッディーカー) こんにちは。タイから理学療法士の伊藤お届けいたします。

中進国・タイでの青年海外協力隊としての2年間を振り返りたいと思います。

正直、協力隊の合否通知を見た瞬間の気持ちは、以前から行きたかった協力隊に合格できた喜び半分、希望した要請ではなかった残念さ半分でした。そして、同封されていたボランティア要望調査票を読み、協力隊の理学療法士には珍しい養成校への派遣であることに驚きました。開発課題は「高齢化対策」で、具体的業務内容の欄には、「学部生の地域実習や院生・教員による地域でのプロジェクト、学科が実施するコミュニティ巡回訪問への同行、学部付属クリニックでの健康促進・介護・病気予防の助言」とありました。

理学療法学科の教員という仕事に多少の興味もあり、学生時代に指導教員が自治体と共同で行っていた介護予防事業を手伝った経験や、病院勤務時に多くの高齢者の理学療法に携わった臨床経験が活かせるだろうと思い、すぐに図書館でタイ語の本を借り勉強を始めました。

65日間の派遣前訓練を経て、1ヶ月首都バンコクにあるタイJICA事務所でのオリエンテーションと語学学校通いをしました。約20年生活していた東京よりも国際色豊かで高層ビルが立ち並ぶ中での生活は、途上国に派遣された他の隊員には言えない位、何でも手に入る環境で戸惑いました。そんな中でも日本とは違うデコボコの道に障害者や子どもの物乞いの姿、高層ビルの裏にある雨をしのぐだけのトタン屋根の家等、中進国ならではの問題が目に入ってきました。

任地はタイの最貧地域とよく言われるタイの東北地方にありますが、開発は進みデパートもある綺麗な地方学園都市でした。配属先は国立大学の1つで、理学療法学科も歴史があり、同僚の多くが欧米等海外で博士号を取得したエリート集団で、26名の教員が学部生・修士・博士の院生の指導に当たっていました。英語も通じる、エアコンもパソコンもWi-Fiもある、理学療法関連の機器は故障している物もあるが最低限の物はあるといった恵まれた環境でした。

整った環境に飛び込みましたが、要望調査に書かれていた業務はないと言われ、学科長も交代しており前学科長とは期待していることが異なりました。専門分野別の各教員グループの活動に同行し、再度、教員から要望を募り、活動計画を練る所からスタートしました。

最初の1年は、相手を知ることから始め、誘われた授業や行事には全て参加し、分からないことを質問すると逆に日本はどうかと聞かれるので情報をシェアし日本の事を知ってもらう、これをひたすら繰り返しました。タイと日本との違いを述べても、これがタイ・スタイルだから、と聞き流され寂しい思いをしながら過ごしていました。

2年目は、タイの改善すべき所に問題意識を持ってもらえるよう工夫しながら指摘し続け、耳を貸してくれる教員が出てきました。そして、私が1人で取り組み続けてきた高齢者入所施設での活動を本腰を入れて引き継いでくれる教員が複数名見つかり安堵しました。

タイ好きの日本人が多い中、私は最初に人間関係で躓きタイ人恐怖症となり、早く任期が終わらないかと赴任数ヶ月後から帰国日をカウントダウンしていました。任期終了1ヶ月前になり、やっと自分がやってきたことに満足感が得られ、自分が思っていた以上に多くの人が色々な場面で私を見ていてくれ、私の話に耳を傾けてくれ、私の存在を認めていてくれていたことを知りました。今はタイの良い所をたくさん知り、やっとタイを『好き』と心から言えるようになりました。タイでの2年間、無駄なことは何一つなかった、と胸を張って日本に帰ります。

ขอบคุณมากๆ ค่ะ

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