チュニジアで協力隊として2年間どんなことをしてきましたか?田崎PT!

السلام عليكم ! (アッサレーム アレイコム!)

こんにちは。今日はチュニジアで理学療法士として活動していた田崎ともえがお届けいたします。私の活動は何か成果が残せたという様なものではないですが、こんな経験もあるんだなと思って読んでいただければと思います。

二本松訓練所にてフランス語を約2か月間訓練した後にチュニジアに派遣されました。私の配属先はNGO肢体不自由児協会という施設で、日本の特別養護支援学校の位置づけにあたり、基礎教育・職業訓練と並行してリハビリを行い、普通学校での教育や社会復帰を目指すという施設です。
私の要請内容は現地の理学療法士(以下PT)との技術交換や、リハビリに対する助言や指導を行うというものでした。訓練所の語学訓練では、専門用語などの単語を学習する余裕がなく、赴任後に現地で同僚のPTが学生時代に使用していた解剖学等の専門書を借りて、専門用語の単語を学習する事から始まりました。そんな中赴任3カ月で同僚PTが退職する事になりました。私の配属先ではPTが一人しか居なかった為、その同僚が退職する=PTは私だけという状況になりました。チュニジアでは日本と違いPTが開業することが出来ます。またチュニジアでは“アラブの春”の革命後は国の情勢が安定せず、NGOなど国の管轄する施設等においては資金不足の問題があり、その施設で働く職員の給与も滞っていた事もありました。その為、PTは自分で施設を開業しているものが少なくありません。

赴任後3カ月、フランス語もままならない状況で同僚が退職し、私一人での活動を強いられました。しかも、児童はフランス語が全く通じず、アラビア語チュニジア方言しか話せません。現地のPTが入職する予定もなく、アラビア語が話せなかった私には危機的状況でした。「マンパワーとして活動して、一体何が残せるのだろう?協力隊としてこの状況のままで活動して意味はあるのか?ましてはアラビア語が話せないのに子供とコミュニケーションが取れるのだろうか?」色んな思いが駆け巡りました。

しかし、目の前にはいつも子供達のとびきりの笑顔がありました。子供達と話す為にはアラビア語を学習するしかなく、子供達は私の名前とリハビリという単語を一生懸命に話して、リハビリをしたいと訴えてくれていたので、そんな子供達の為にもマンパワーに徹してリハビリを実施するという決断に迷いはありませんでした。
“途上国ではいつ何が起こるか分からない。予定は未定であって、物事が思い通りに進まない事の方が多い。”という事を身をもって実感しました。

その後アラビア語に苦戦しながらも半年近く、マンパワーに徹してリハビリを実施していましたが、施設に通ってくる子供達のほとんどが先天性の疾患(9割が脳性麻痺)で、障害が固定化されつつあり、機能面での改善は困難な症例がほとんどでした。またチュニジアのリハビリにおいては日常生活動作(以下ADL)の評価やそれに対するアプローチが希薄であった為、ADLに着目しアプローチする事にしました。とはいえ、語学力不足により能力面の評価が十分でなかった為、家庭訪問を提案し同僚の作業療法士(以下OT)や養護教諭、心理士や発声矯正士(日本における言語聴覚士)の協力を得て、各家庭に行き家庭での様子を見たり、親に家庭での様子を聞くなどしてADLの状況把握を行いました。チュニジアは信仰宗教がイスラム教であり、より敬虔なイスラム教徒であれば、女性は家庭に居る事が多く、子供のADL面でも過剰介助になっている印象を受けました。子供の持っている能力を活かして、親の介助の負担を軽減させるべく、ADL面に着目しリハビリを実施しました。赴任1年後に入職した現地のPTも家庭訪問に同行し、共にADLの状況把握を行いリハビリのアプローチの幅を広げると共に、ADL面の重要性などを伝えました。

2014年9月末に任期を終え日本に帰国しました。私の活動を通して何かの成果があったか、何かに貢献出来たかどうかは分かりません。でも子供達がリハビリを楽しみにしてくれていた事、私の存在を必要としてくれた事が、自己満足ではありますが私自身にとっては有意義なとても貴重な経験になりました。例え言葉がうまく話せなくても、思いや気持ちは通じます。任期終了間近には「チュニジア人と結婚して、ここに残って一緒に働こう」と声をかけてくれた同僚達。2年間を通していつも私を助けて支えてくれた彼等の優しさには感謝です。(残念ながらチュニジア人との結婚とはなりませんでしたが…笑)。青年海外協力隊として活動出来た事で私は改めて理学療法士という仕事が好きになりました。この経験を活かして自分の体の動く限りは理学療法士として頑張って行こうと思います。

長い私の経験談に最後までお付き合い下さってありがとうございました。それでは今日はこの辺で。さようなら。بالسلامة!(ビッスレーマ!)

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