ウズベキスタンの2年間とは?理学療法士木村さんの振り返り。

ウズベキスタンに青年海外協力隊理学療法士隊員として派遣されていた木村さん。2年間の任期が終わり帰国されました。木村さんに2年間の活動を振り返っていただきました。

Ассалому алайкум(アッサロームアライクム)こんにちは。ウズベキスタンから理学療法士の木村がお届けします。

早いもので私が帰国して3か月半経ちました。現在は派遣前と同様理学療法士として病院に勤務しています。任国の1.5倍速で時間が進んでいる日本社会について行くのに必死で、最近は数か月前まで任国にいたことが嘘のようにも感じられる私ですが、今回は2年間の活動についてお話させて頂きたいと思います。

私は、2013年1月からウズベキスタン共和国に派遣され、フェルガナ州にある総合病院の理学療法病棟で活動しました。ウズベキスタンには理学療法士という資格は存在しない為、主に日本の理学療法士と似た仕事をしている現地の看護師と一緒に活動しました。私の活動内容はとても簡単で、「現地のスタッフと一緒に働き、患者達にリハビリテーションを提供すること」です。8時~14時まで現地の人達と一緒に、入院・外来の患者達に理学療法を行いました。この病院に来る患者達のほとんどは維持期の方ですが、日本のように急性期病院、回復期病院等はっきり別れているわけではないので1割、2割の患者は急性期、回復期の方でした。

現地の人達の価値観、生活スタイルに合ったリハビリテーションとは何なのか?理学療法士としての私はその中で何が出来るのか?これを考えることが一番大変だったと思います。ウズベキスタンではほとんどの人達がイスラム教を信仰しており、すべては神様から与えられるものと考えます。その為、医療スタッフは患者に病状を説明することもなくすべての患者に「良くなるよ。神様が望めば。」と言います。患者自身も基本的にはどんな状態であっても良くなると考えているようです。そして、現地の人達は家族の絆がとても強く、どんなに介助量が多くても子や親戚が介護をしながら生活していくのが一般的です。 一方、病院は治療(手術、注射等)のみをする場所として考えられており、患者の退院後の生活を考えることはありません。重症患者は別ですが、基本的には10日間で退院することになります。

患者さんから予後について聞かれた時は何と答えればいいのか?(本当の病状を説明すべきなのか、現地人のように神様が望めば…と説明すべきなのか…)、現地のスタッフの人達と働いているだけでは何も残らないのではないか?私がいることで逆にマイナスになっているのでは?等々悩んだり、迷ったりしたことは沢山ありますし、今でも答えが出せないままのこともあります。

ただ、現地の人達と一緒に患者さんに関われたこと。これは私にとっても現地のスタッフにとってもお互い影響を与え合ったのではないかと思います。私にはない考え方を持っている現地の人達。現地の人達にはない考え方を持っている私。自分が持っていないものを持っている人達と関わるということは、こんなにも興味深くて楽しいことなのだと思いました。そして、こんなにも違うことが多いのに共通することも沢山あるということに驚きました。

最後に私が2年間活動していた中で一番嬉しかったことをお話させて頂きたいと思います。活動時間が終了し、自宅で過ごしていた時、一緒に活動していた同僚から電話がありました。いつもはご飯のことやお金のことで連絡が来ていたのですが、この時は同僚と私が一緒に担当していた患者のことについてでした。彼女は家に帰ってからこの患者に出来ることを考えていたらしく色々なことを提案してくれました。普段は、重症患者を担当することは避け、遅刻をして来る彼女が、目の前にいる患者に何が出来るのか色々考え、患者に向き合う姿勢を見せてくれたこと。それが本当にとても嬉しく感じました。そして、私自身日本の病院に就職して業務を行う中で忘れかけていたことを思い出させてもらったような気もしました。

2年間沢山の壁に衝突しましたが、理学療法士としても、一人の人としても学ぶことの多い任期でした。こうして無事任期を満了することが出来たのは、遠い国から来た外国人を受け入れてくれた現地の人達、隊員仲間、応援してくれている人達がいたからだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

それでは今日はこの辺で。Хайр(ハイヤル)

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