青年海外協力隊としての2年間、スーダンでも“患者”は同じでした。
青年海外協力隊、スーダン百瀬理学療法士の2年間の活動報告です。
スーダンでの二年間での活動を終え、帰国してから二ヶ月がたちました。
長いようで、あっというまだった二年間。
何より、多くの人に出逢い、支えられた二年間。
国の名前を初めて耳にしたときは、全く想像がつかなかったスーダン。
アフリカ・イスラム教の国・ダルフール紛争、そんなイメージで向かったさきに待っていたのは、温かいスーダンの人々でした。
義肢装具の専門施設で活動
私の活動先は、国立義肢装具機構という義肢装具の専門施設。
義肢や装具を求める患者さんが、国中からやってきます。私はここの理学療法科に配属となり、同僚の理学療法士たちと働いていました。
主に行った活動は、患者の診療、学生指導、生活調査、生活指導・予防啓発です。
スーダンは理学療法士の養成校から学生が出始めてから3年ほどで、現場での学生の指導を行える存在もまだ少なく、理学療法の認知度もまだ低い状況です。
このため、過度の安静が続き、関節が固くなったり、筋力が低下してしまったりと、動けなくなってしまっている患者さんを何度もみました。
怖いから動かさない、どうすればいいのかわからない。
動けることを伝えるということ
そんな患者さんたちに、【伝える】ことも私たちの大切な仕事だと、改めて感じました。
自分はなぜここにいるのか、自分にできることは何か。立ち止まり、悶々と思い悩むこともたくさんありました。
日本とは全く違う生活環境を知り、患者さんの幸せを考える機会も増えました。
自分を見つめなおし、ちっぽけな自分を感じる日々。
そんなときでも、チカラをくれるのはやはり患者さんたちです。
色々な悩みも葛藤ももちながらも、結局行きつくところは、同じだと思います。
患者さんの見る世界が何か変わって、笑顔になるように。
スーダン人のおもてなしの心
この二年間、患者さんや同僚・友人、多くのスーダン人から多くのことを学びました。
感謝の心。見返りを求めない、おもてなしの心。心のゆとり。
私は、どれだけ彼らにかえすことができたか分かりません。
何が残せたかもわかりません。
ただ、私が関わらせてもらった多くの人々の見る世界が、少しでも拡がっていたらと思います。
自分がそうであったように。
私と出会ってくれた人、応援してくれた人、助けてくれた人。
すべての出逢いとみんなに、感謝しています。