リハレポ163号 途上国へ来る前に勉強しておけば良かったことは? バングラデシュ井立ST
আস্সালমু আলাইকুম (アッサラームアライクム)。こんにちは。バングラデシュから言語聴覚士の井立がお届けいたします。今回のテーマは「途上国に来る前に勉強しておけば良かったことは?」
このテーマをいただいた時に、すぐに頭に浮かんだのは「英語」。
バングラデシュの現地語は「ベンガル語」です。私も日常生活はベンガル語を使用しています。
しかし「専門用語」は全て「英語」なんです。これには理由があります。
バングラデシュのリハビリ養成学校は、海外ボランティアの援助が大きく影響しており、授業は全て「英語」で実施されています。教科書もバングラデシュ人講師の授業でさえも「英語」です。英語が苦手な生徒は、必然的に授業がわからなくなり、落第してしまいます。
スタッフやインターンたちにアドバイスする際も、会話は「ベンガル語」でも専門用語は「英語」です。「Stroke(脳卒中)のPatient(患者さん)ならAphasia(失語症)?顔にParalysis(麻痺)は?Paraphasia(錯語)はある?Repetition(復唱)の時の反応は?」など、ルー〇柴のような会話をしています。言いたいこと・聞きたいことはあっても、専門用語がわからなくて「ちょっと待って、調べるから…」なんてことは日常茶飯事です。
また配属先は「海外ボランティア」をたくさん受け入れているため、年中5~15人くらいの外国人が滞在しています。オーストラリア、イギリス、アルゼンチン、オランダ…など色んな国からボランティアとして来ています。もちろん共通語は「英語」。
色んな国の話を色々聞きたいのですが、英語が話せないがために、折角の機会を逃していることが多いです。
私の英語歴は、高校時代は赤点すれすれ、専門学校時代の医学英語はすっかり忘れ、勤務時代は英語に全く触れず、「日本人なのだから英語なんて話せなくていい」なんて思っていたました。10年後に何が起こるかわからないのだから、どんなことにも興味を持っていたかったなと思います。
この1年4カ月の間に「リスニング」は大きく伸びましたが、普段はベンガル語で話しているため、「スピーキング」は単語レベル。スタッフには「私の英語脳は『ブローカ失語』よ」とブラックジョークを言っています。
現在、助けられているのは「英語・医学・医学英語・国語・広辞苑・薬学」の入った電子辞書とインターネット。調べた専門用語をノートに書き溜め、単語帳を作っています。
今後の進路のために、これからも英語の勉強は続けて行こうと思っています。