渡邉STによるマラウイの福祉事情紹介

Muli Bwanji?(ムリブヮンジー?) こんにちは。マラウイから言語聴覚士の渡邉がお届けします。

「福祉」…マラウイではあまり耳にしない言葉です。活動を振り返ってみて、バリアフリーやユニバーサルデザインという言葉は一度も聞いたことがないことに気づき、驚きました。今回のテーマを知ったとき、思わず他の隊員に確認してしましたが、やはり聞いたことがないそうです。

マラウイは日本のように福祉制度や施設等が整っていません。私の配属先は特別支援教育教員養成カレッジで敷地内に特別支援学校もあるため「Children with disability」の標識があったり、スロープがあったりする場所もありますが、設備は十分ではなく、視覚障害児の寮は坂道で段差だらけだし、一歩出れば道は未舗装だし、健常者でも躓きそうな場所での生活は大変そうです。

特別支援学校でもこのような状態なので、他の公共施設もほとんど障害者のことは考えられていません。大きな都市は比較的道路も舗装されていますが、スロープは見かけないし、

特別な標識等もありません。バスは日本のように優先席はなく人々の中に特別な意識はないので、けがをしていたり体調が悪かったりしても、ぎゅうぎゅうのミニバス(日本の中古ワゴン車)に乗らなければなりません。

このように問題は多いですが、悪いことばかりではないのかなと思うこともあります。マラウイは医療分野の発達がまだ十分ではなく、周産期の問題や、マラリアの後遺症で障害を抱えることが多いので、日本に比べ障害者の割合が大きいです。障害者に対する社会的な制度も整っていないため、バリアフリーという言葉は聞こえてこないし、特別な補助制度もありません。しかし、人々の意識は日本と違い「障害」ということを特別扱いしないので、障害を持っていても健常者と同じように生活をしています。「障害」に対する人々の考えや態度は日本よりもバリアフリーに感じます。当たり前に障害を持った人が地域の中で一緒に生活をしています。もちろん大変なときはみんなで助け合います。障害を持っていてもそれに対して臆することなく発言するし、そのことを盾にして不平不満を述べることも日本に比べ少ないと感じます。

制度や設備を整えることは重要ですが、それと共に人々の意識や考え方も重要な「福祉」

の一つであると感じます。心のバリアフリーはそのままに、これからは福祉システムが発展して、障害を持っていても住みやすい社会となるように、私たちボランティアも関わっていけたらいいなと思います。

では今日はこの辺で失礼いたします。またね。Tionana!(ティオナナ

第3回マラウイ渡邉①第3回マラウイ渡邉②

第3回マラウイ渡邉③

 

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