アメリカにおける作業療法の現状!

米国カリフォルニア州で作業療法士(OT)として働いています室田です。今回は日本での第16回世界作業療法士連盟大会に参加した折に、お知り合いになったOTの方の紹介でこの記事を執筆させて頂いております。簡単ではありますが、アメリカの医療現場とOTの現状について紹介させて頂きます。

 

自由診療が基本なここアメリカでは、高額な医療費が原因で自己破産をしなければならないケースが多々あります。そして当然の事ながら高い医療費はリハビリテーションサービスに対しても当てはまります。そのためアメリカでは医療コストを削減するために、常にアウトカムが求められというのが昨今の医療現場の状況です。

 

そのため作業療法の根本をなすべきMeaningful Occupation の実行が現場において困難であるという問題があります。患者の方々は体調が急変すると、救急車で病院の救急処置室に運ばれます(もちろん救急車で運ばれるのにもかなりのお金がかかります)。そして処置がほどこされ様態が安定すると、病院のICUから回復病棟に移送され次の施設に移る準備をします。急性期の病院での主なOTの役割は患者のADLやTransfer能力の向上をスタートさせることですが、医師から最も求められるのは正しい退院先と退院時の安全面などでのアドバイスなどです。医療訴訟が頻繁に起こるこの国では、いかに患者が早く安全に退院出来るかと言う事が非常に重要です。ですから高機能な患者は一日から三日ほどで退院し、自宅で訪問看護やリハビリを受けるのが一般的です。しかしすぐには自宅に帰れない患者や、より集中的なリハビリが必要な患者については、高度看護医療施設(Skilled Nursing Facility)やリハビリ特化型病院(Acute Rehabilitation Hospital)に移送されます。そして常に諸機能の向上が求められるシビアなリハビリが始まります。なぜなら週ごとにADL/Transfer等の機能向上がみられない患者は、回復する見込みがないとみなされ保険の保護を失ってしまうからです。そのためOTは最も基礎的なADLやTransferの訓練に集中するというような事が必然的に多くなります。常に時間と効率性を求められためです。そのためアメリカにおけるOTの課題は、いかに意味のある作業を主としたEvidence-Based Practiceを駆使し、よりよいアウトカムを確立し、OTの価値/作業の楽しさや喜びを世間一般に普及啓発することではないかと思われます。

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