タイで活動中の青年海外協力隊の試み!海外活動から学ぶコミュニケーション術!

JICAボランティア、青年海外協力隊による海外活動では様々な技能が身に付きます。その一つがコミュニケーション。タイで活動中の理学療法士の方は、限定した質問という工夫をしてコミュニケーションを図っていきました。

สบายดีไหมครับ?(サバイディーマイカップ?)  こんにちは。タイから理学療法士の西崎がお届け致します。

私の活動先は、バンコクの中心部から北に約60km離れた所にあるパトゥムターニー県にあるパトゥムターニー高齢者社会福祉開発センターというところで、身寄りのない高齢者の入居施設です。

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光栄なことに今回2度目の投稿の機会を頂きました。今回はタイでのコミュニケーション事情について紹介させて頂きます。

最初は分からなかった

この施設での活動が始まり、9ヶ月が経過しました。最初の数か月はスタッフや入居者の言葉のスピードについていけず、何を言っているのか聞き取れないことが殆どといった状況でした。

また、幸せな悩みでもありましたが、誰もが私に対して興味を示してくれたこともあり、聞き取れない言葉で質問攻めに合い、その度にまともに返事をすることも出来ずで、申し訳なさを感じることも頻繁にありました。

工夫したのは“限定される質問”

そのような中で、私なりに工夫をしたのは、比較的クローズドな(応え方が限定される)質問を、私の方から積極的に投げかけるということでした。そうすることで、応えをある程度予測した状態で、表現の仕方を学び、耳を慣らしていきました。

その工夫のお陰もあってか現在では、何を言っているのか”直訳”であれば出来ることが増えてきているかとは思います。“何を言っているのか”はわかることが増えてきていますが、”何故この状況でこの様な話が出てくるのか?”と自分が本当に理解出来ているのか不安に思わされることが多くあったり、イエス・ノーという単純な返答が出来ない事柄に対して明確な答えを求められ、返答に困るといった事態が頻繁に起こります。というのも、私の施設には私以外のリハビリテーションスタッフはおらず、看護助手を除いては、医療系の有資格者はいません。そのため、理学療法士の立場としては明言出来ないことに対して、意見を求められることや要求をされることが多くあります。例えば、介護スタッフに対しての救急対応や誤嚥時の対応に対する指導依頼など、疾患を発症しているか否か、などといったことです。

”直訳”を出来ることが増え、コミュニケーションの量が増えた現在の方が、より明確な不便を感じることが多くなってきているように感じます。

日本の教育の箱で学び、対日本の社会の中でのコミュニケーションで培ってきた経験を基にした思考様式から抜け出せない限りは、このような問題が続いていくのだろうと思います。

直訳から理解へ

現在活動が始まって10ヶ月目、間もなく折り返しの時期を迎えようとしています。残りの活動期間の中で、タイ人の人柄やタイの文化に対して理解を深めていくことや、医療に関する知識を深めていく中で、”直訳”が出来る状態から”理解”ができる状態までステップアップしていければ、と思います。

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それでは、今日はこの辺で。さようなら。ไปก่อนนะครับ(バイゴーンナカップ)

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