青年海外協力隊を志した理由は?”マラウイ玉枝理学療法士”
Muli bwanji?(ムリバンジ?)こんにちは。マラウイから理学療法士の玉枝がお届けいたします。
私が協力隊を志した理由。それは、「世界がもし100人の村だったら」という絵本に出会い、私の中の「当たり前」が世界の中では「とても贅沢なこと」であることを知った事がきっかけです。
私は今、縁あってアフリカのマラウイという国の国立病院で活動しています。国立病院でさえ、断水や停電があります。ベッドが足りず、床に虫と一緒に寝ている患者さんがいます。さらに、一歩病院の外へ出て村の中にいる障害をもった子ども達をみてみるとマットもない、蚊帳もない、着ている服もボロボロでとても手足が細い子ども達ばかりでした。この国で、私はまだ技術提供や知識の共有ということはほとんど出来ていません。日本での「当たり前」が当たり前ではないマラウイで、日本で得た技術や知識を伝えることはとても難しいのです。私は伝えるどころか、何もないところから「なんとかする」方法を学ばせてもらっている日々です。
例えば、村にいる脳性麻痺の子ども達。一日中硬い地面に寝かされているか、アマイ(お母さん)に抱えられているかして過ごしています。一日中刺激の少ない中で過ごしているお陰で、表情がとても乏しい子がいます。その子に、ペットボトルの中に乾燥させたカボチャの種を入れて、マラカスのようにして音を出すだけで笑顔になるのです。
相乗効果で、アマイ達はアフリカの血が騒ぐようで踊り出す、歌いだす…すると、病院での理学療法に劣らないくらい、どんどん出来ることが増えていく子がいました。
協力隊は、自分自身にも大きな影響を与えてくれるとは聞いていましたが想像以上でした。
日本での何不自由ない生活から、ライフラインも不安定なマラウイに赴任して5か月。
想像していた以上に大変なことも多々ありますが、実際に来てみなければ得られない大切なことも沢山ありそうです。
どんな障害をもった患者さんに対しても、とにかくひたむきに「なんとかしよう」とする日本の理学療法のマインドは、必ずマラウイアンにも通じると信じて今後の活動を続けていければと思います。
それでは、今日はこのへんで。さようなら。Tionana!(ティオナナ!)