リハレポ特集41号 他職種の途上国活動 グアテマラ助産師藤田さん

こんにちは!  ¡Buenas tardes! ブエナスタルデス!

本日はグアテマラ共和国から、助産師隊員の藤田有希がお届けします。

私が活動している町は、サンティアゴアティトランというマヤの先住民族が住む町です。3つの火山が湖畔にそびえたち世界一美しいと言われている湖、アティトラン湖のほとりにあります。

この地域では多くは家で出産しますが、周産期死亡率は日本の約30倍も高いために、それを低下させようと現在は施設分娩を勧めています。ここで私は病院配属の助産師として活動しています。分娩や産後のケアや総合外来・救急外来・入院病棟の患者さんへのケアをしています。先住民の文化ではトウモロコシを加工した炭水化物ばかりを摂ることが多く、さらに近国である欧米からのファーストフード文化の影響もあり、栄養不良や成人病が多いです。また薪を使用するため肺疾患が多かったりと、文化に関連した疾患が多くみられます。また衛生状態も良くないため、小児の下痢での入院も多いです。

院外での活動は、伝統的産婆への勉強会や、産婆や地域ボランティアと共に妊婦や褥婦・新生児への家庭訪問をしています。小学校や教員養成機関での性教育も実施しています。

マヤの先住民族の人たちは遺伝的素因・妊娠中の低栄養などにより口唇口蓋裂が日本人より多く、また糖尿病など様々な原因により身体が不自由な人も少なくありません。我が町は小さいながらも、障害者のためのリハビリや教育、心理カウンセリング、言語カウンセリングを提供する施設があります。私はそこで障害をもつ子の母親達に、適切な栄養の摂り方や授乳方法、離乳食について勉強会の実施や、逆に糖尿病への運動療法として理学療法士を病院に招き勉強会を開くこともあります。

しかし、このような試みをしても民族の文化が関連した生活習慣病は、なかなか改善されにくいのが現状です。残り1年の活動を通して、マヤの先住民の人達の健康増進を目指し、頑張ります。

それでは、さようなら ¡Adiós! Hasta luego. アディオス!アスタルエゴ。

特41看護藤田 特41看護藤田③ 特41看護藤田④

 

 

 

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