谷口OTによるサモアの福祉事情紹介
タロファ。(こんにちは)本日はサモア独立国より作業療法士の谷口がお送りします。サモアの障害者支援で力を入れているとされるものとして「学校教育」があります。
NGOが主体で運営(サービスを受ける際利用者の負担は無料)しており村落での認知も低くないそうです。
しかしウポル島で2校(日本で言う特別支援学校のような施設)、サバイイ島に至っては1校もありません。そのため他者とのコミュニケーションが困難で授業中教室内を動き回ってしまうようなお子さん(診断は付いているわけではありませんがおそらくADHD。授業を行う先生とは別に学校滞在時、常時介助者が1名は必要と思われる)が普通校に通っている現状があるようです。
また私は2つの島を訪問していますがスタッフからの情報では、そもそも学校に行ったことがない、以前は行っていたが今は行っていないお子さんがいるそうです。
理由は先ほども例に挙げたようなお子さんの場合、先生が対応出来るマンパワーがない、
学校まで行く交通手段がない、家族の問題があるとのことでした。
そう言ったお子さんは何も出来ずに家で過ごしているしかありません。
さらに学校に行ったことがない訪問のお子さんの中には、空気が抜け・さびれた普通型の車いすを10年間も使用している筋ジスの方がいました。(身体の機能レベルはおそらく電動車いすが必要ではないかと思われるお子さんです)舗装されていない道路・空気が抜けた車いすでは外に行くことが出来ない。車いすを交換したくても年に数回しか他国から補助がないので換えられない。学校教育以前に自宅での生活の幅も狭まっている様子でした。
現在、私が所属する訪問部署でもこのような現状のフォローアップとしてschool activity を提供、学校に通えそうなお子さんに関してはご家族様に薦めるなど行っています。ですがそれもウポル島では週に1度程度、サバイイ島でも多くて月に1回。まだまだ十分に教育を受けることが出来きていません。
障害を抱えたお子さんが健常児と等しく教育が出来るよう生活の幅が広がる社会になることを祈っています。
さようなら(トファーソイフア)!