協力隊現職参加したマレーシアOVの帰国後の進路

今年の3月までマレーシアで活動されていた作業療法士の原さん。帰国後すぐ現職に復帰されています。原さんには協力隊経験が【臨床】の場面でどのように活かされているのか、お話しして頂きます。

Selamat tengahari(こんにちわ)! 私はマレーシアの,首都近くにある公立のスラヤン病院にて、現地スタッフと一緒に精神障害を持つ方々に作業療法(OT))行ってきました。

モノや設備はある程度整っている中進国マレーシア。しかし、精神障害は差別と偏見の目が根強く、現地の病院では、精神科担当の作業療法士が他の分野を毎年ローテーションし、OT部門と精神科部署との連携に乏しい状態でした。

そのため、急性期入院病棟では各種作業活動(園芸、音楽、手工芸、体操、軽スポーツ)、リスク管理としての5S活動、外来や訪問看護対象者にはデイケアや訪問作業療法を通し、実践を持って作業療法の効果と個別支援や記録の大切さを伝えていきました。就労支援としては、病院内食堂でのパッキング作業を開始し、他施設見学等を通し地域との連携を図りました。ラジオ体操やよさこいソーラン節、アクティビティ紹介をしながら、日本の作業療法の紹介も行ってきました。対象者の良い面を引き出せたことで同僚看護師が「やり方の引き出しが増えた。楽しい!」と自信を持ってもらえるようになったのが一番嬉しかったことです。今後もスラヤン病院における活動を見守っていければと思っています。

帰国後2週間で現職復帰すると、「おかえりー!」と職場のスタッフが笑顔で迎えて下さりました。最初の1ヶ月は、日本のリハビリの仕組みは、いろんな意味で細かく、違和感を感じながら過ごしていた矢先、日本を経つ前に担当していた患者さんとご家族が訪ねて下さり、感動の再会を果たすことが出来ました。浦島太郎のようなブランクが少しずつ埋まり、休職していた2年間に感謝を持って働きたいなと思うようになりました。

今はもう復帰してから5ヶ月が経ちます。2年の間に、現在の職場環境も変わっていました。新規事業の転換期でもある今、職場環境をもう一度見直し、組織力を高めるために必要な活動を加えていっています。課題の洗い出しに付箋を多用したり、会議をより意義あるもの、発信力を高められるように、周囲の動きに合わせながら他職種への働きかけを並行して行ったり・・・これらの内容は、ボランティア活動の延長線であるように思えてなりません。臨床の合間に、近隣の小学校へのボランティア活動体験を話す出前講座や活動報告の機会も頂け、自分自身の活動を振り返りながら、臨床とは少し違う環境を楽しむことも出来ています。ボランティア活動を通して出会えた現地の方や隊員仲間、関係機関の方々に感謝しながら、今後も、人とのつながりを活かし、障害を持つ方の社会参加を支援する作業療法を行っていければと思っています。

それでは、Jumpa lagi(また会いましょう)!

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