橋本PTによるドミニカ共和国でのコミュニケーション事情
¿Cómo está?(コモエスタ?)お元気ですか? ドミニカ共和国から橋本がお送りいたします。
概して、ラテンアメリカの国々は陽気なイメージがあると思います。その中でも、特にドミニカ共和国はそのイメージがぴったり当てはまるのではないかと感じています。その様子は道を歩くだけでも感じることが出来るほどです。道を歩いているだけで、目が合うだけで、誰もがあいさつしてくれる、微笑んでくれる、本当に陽気な人々です。
私の配属先もその陽気な雰囲気はそのまま、職員の会話は大声で飛び交い、音楽も仕事の必需品です。気に入った曲が流れてくるとさらに大きな声で歌い、おまけに踊り出します。食堂にコーヒーポットが到着すれば、患者さんを待たせてでもコーヒーを取りに行ってしまったり…。ご想像の通り、当初私はそんな彼らに、違和感を覚えずにはいられませんでした。
しかし、とにかく話し好きな彼らです。それはただのおしゃべりには留まらず、自分の意見を言うことや、プレゼンテーションは本当に上手なのです。私の配属先では、定期的にミーティングをしています。原則的に療法士は全員参加することになっており、内容は業務についての話し合いから、同僚の研修報告、勉強会と様々です。私は、その時の彼らの様子には特に感動しています。経験年数、年齢などは関係なく、誰もが自分の主張をしっかりと行います。誰かが話していても、自分の意見がある時には、途中でも挙手をし、相手が話し終えるまで挙手を続けます。自己主張が強い、と言ってしまえばそれまでなのかもしれません。
しかし、私は彼らからある程度の「自信」を見せるということが自分の意見に説得力を持たせる大切な要素であることを学びました。もちろん、彼らの話す全ての内容が正しいわけではありません。自身のわがままを主張していることもあります。しかし、それでも「自信」を持って話している彼らを見て、圧倒されている私がいました。
同僚に話を聞くと、彼らは幼い頃から人前で発表をしたり、話したりする機会が多かったそうです。私は時々大学の授業を見せてもらう機会があるのですが、その際の生徒たちが行うプレゼンテーションでも、プレゼンターは何かを読むことは決してなく、聞き手の顔をしっかり見ながら自分の言葉で話します。これはどこかで学んだわけでもなく、そういった習慣があるのだと同僚は話していました。
逆を言えば、彼らに自分の意見を伝える時も、そうでなければ伝わりません。私自身、意見を伝える時に自分の不安が伝わり、彼らもその意見に納得しにくい様子だった経験は多くあります。言葉の壁があるせいか、より他者へ「伝える」という作業に、話し手の雰囲気はとても重要であると感じています。もちろん態度で相手を威圧する、自分の意見を突き通すということではありませんが、私自身の人と話す時の姿勢や表情、そしてそれが相手にどんな印象を与えるのかを振り返る機会をもらっているような気がします。
それでは今日はこの辺で。¡Que le vaya bien!(ケレバジャビエン!)