リハレポ162号 途上国へ来る前に勉強しておけば良かったことは? エルサルバトル下田PT
Buenas tardes.¿Como esta? (ブエナスタラデス、コモエスタ?)こんにちは。ご機嫌いかがですか?
中米のエルサルバドルから、理学療法士の下田がお届けします。
日本にいる間に、もっとスキルを高めておいた方が良かったと思うものが3つあります。
其の一 「プレゼンテーション能力」
私の活動は、地域リハビリテーションを定着させることと、住民への健康教育です。
住民向けの講習会などで、人前で話をする機会が、頻繁にあります。
事前に人数や客層を把握することは殆どの場合出来ないので、「出たとこ勝負」です。
厚い厚い言葉の壁を越えて何かを伝えるために、表情を見、反応を読み、空気を感じ、肌に触れ、挨拶を忘れず、会釈を交わし、息を合わせる。
この人の話を聞いてみようと思わせる雰囲気づくりをする。
そういう技術をもっと身に付けておきたかったな、と思っています。
其の二 「理学療法士としての幅広い知識」
ほとんどの途上国は、高齢者が少なく、乳幼児が多い傾向にあります。もちろん患者層も小児が非常に多く、小児の経験があることはとても強みになります。
また、診断名のついていない患者を目の前にしてどうするべきか、という半ば勘に頼らざるを得ない咄嗟の判断を求められることが多いので、幅広く病気についての知識が必要です。でも今は途上国でもインターネットが普及している場所が多いので、分からないことは調べることが出来ますけどね。
其の三 「芸」
どこの馬の骨とも分からない怪しいアジア人の我々が円滑に活動するためには、まずは存在を知ってもらわなくてはなりません。人気者になることが必要だと思いました。
ラテンの人々は温かく、どんな芸でも大抵ウケてくれます。
一例を紹介します。
ウケたもの→側転、空手もどき、書道、けん玉、変顔、手品、小さい鶴を折る、など。
シラケたもの→ビールの一気飲み。
では、¡Adiós! Buen día. (アディオス、ブエンディア)ごきげんよう。良い一日を。