リハレポ168号 途上国へ来る前に勉強しておけば良かったことは? ソロモン鎌田PT

Aspha rya!(アスファリャ!)こんにちは。ソロモンより、理学療法士の鎌田がお届け致します。

途上国。そもそもリハビリという概念なんてあるのだろうか?という疑問を抱きつつ入国したソロモン。私は日本では成人のリハしか行ったことはありませんでしたが、きっと小児なども診ることになるだろうな、と、専門などは関係なく幅広く診なければいけない、という予測はありました。しかし、活動開始後に求められたのは、理学療法士という枠を超えた医療・福祉の総合のようなものでした。

ここソロモンには、現在理学療法士が全国で7名しかいないと言われています。作業療法士や言語聴覚士は、日本やオーストラリアからのボランティアがたびたび入っているので、そういう職種は認識されていますが、現地スタッフは存在していません。私の配属は首都の国立中央病院リハビリテーション科で、Medical ward(総合内科)を主に担当しています。主に脳卒中を含めた神経系や、原因不明で発症し障害が出ている人達を診ています。そこで医師から出てくる理学療法に対する処方箋には、「運動療法」「補助具の作成」「言語訓練」「嚥下訓練」…。最初は、さすがに嚥下訓練はできない、と思い医師に理学療法士の範疇の説明などを行いましたが、「私がやらない」=「誰もやらない」。日本で見た言語聴覚士の訓練方法などを思い出しながら、パルスオキシメーターもない中で恐る恐る実施しています。また、福祉用具もほぼ外国からの寄付に頼っているソロモン。木材などで、作れる物は作りたいところです。ソロモンに来てから、以前4点杖を作成しましたが、いざ作るとなると、接続部をどうするか、取手はどうするか、丈夫さ、バランス…道具の形や使用方法は知っていても、そのデザインから始めるとなると、なかなか難しいと実感しているところです。

セラピストも物品も少ない中で自分にできることを、と考えた時に、限局された専門性よりも、多少浅くても幅広い知識・技術とアイデアが必要だと感じています。

それでは今日はこの辺で。Lukim iu!(ルッキムユー)!またお会いしましょう。

168ソロモン鎌田

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