リハレポ177号 現地の方にかけられたあの一言 マレーシア川崎OT

Apa kabar? (調子はいかがですか?)本日はマレーシアからOTの川﨑がお届けします。現在マレーシアの身体障害者リハビリテーションセンターで働いています。

この度は二度目の執筆になります。今回のテーマは「現地の方にかけられたあの一言」ということでお送りしたいと思います。3つくらい紹介出来ればと。

まずは英語の表現の仕方の話を。「障害者」を英語でいうと何でしょうか。はい、そうです。これまで世界で使われてきた最も多い表現の仕方は“disabled people”ではないかと思います。私も当初これを使っていました。ですがある時うちのリハセンターのST科に所属するスタッフがdisabled peopleと言って施設長に怒られていました。

施設長:“You must not say disabled. Say people with disability!”

ダメらしいです、disabled peopleというと。多分私の解釈ですがdisabled peopleは日本で言う「障碍者」、または認知症でいう「痴呆」的な立ち位置にあるのではないかと思います。よってPeople with disabilityが正解。もっと丁寧にいうとPeople living with disabilityです。ちなみに私の施設では“Patient(患者)”も禁止です。“Client(利用者)”と言わなければなりません。どこの国も風潮は同じなのですね。

次に仕事の内容から一つ。

私はここでCBR(地域リハビリテーション)の普及を目指して取り組んでいるのですが、如何せん上手くいきません。個々の障害者支援施設が独立してそれぞれの活動を行っているため、それぞれが連携して一人の障害者を他職種・多方面から地域で支えるなんてこと彼らは考えてないのです。いくら力説しても変化なし・・・というのも、そりゃ労力がいりますし、結果もすぐに出るものではないですから受け入れ難いですよね。

そんな中私の施設にいるいわゆる社会福祉士のような役割のアルフォンソ君は違いました。

——— ある日の一幕 ———

川﨑「…Anyway, things that I’d like to do for people living with disabilities…

(だから、、、俺が障害者の人々のためにやりたいことは・・・)」

アルフォンソ君「WAIT Ippei!! You shouldn’t say “I”. When we act or consider for them, you should say “we” because you are not only but with us. The subject is “WE”

(待て待て、このやろう。“俺”、なんて言ってんじゃねーよ!“俺たち”だろ?一平は障害者支援を一人でやってんじゃなくて、みんなと一緒にやってんだろ?彼らに介入したり考えたりするときは主語はいつも“WE”なんだよ、わかるか?)」

なんてことを言われました。超意訳ですが、こんな感じだったと思います。正直結構衝撃的でした。「あ、この人はちゃんとみんなで地域の障害者を支えていく、ってことを考えてるんだな」ってことがしっかり伝わってきた一コマでした。今ではこのアルフォンソ君と二人で地域リハやチーム医療に関するプレゼンを配属先で行ったり、地域リハに関するセミナーを計画したりと少しずつ活動の歯車が噛み合い始めています。いいやつです、彼。

最後にもうひとつだけ。日常生活の中から一つ。これはST科のエリナマリーに言われたことですが、

エリナマリー「一平はいつもありがとう、ありがとうと言ってるわね。」

川﨑「そうかな?日本人はよく“ごめんね”が多い、って言われるから気を付けてありがとう、と言うようにしてんだ。」

エリナマリー「ふーん、そうなんだ。けどはっきり言って不自然よそれ。だって普通仕事頼まれたり、ディスカッションをしたりしてる時にありがとうなんて言わないでしょ?悪いことじゃないかもしれないけど、こっちにはこっちの“ありがとう”の重みがあるの。」

的な感じだったでしょうか。これまた衝撃でした。よかれと思って連発してた“ありがとう”をこんな捉え方をしていたなんて・・・。THE カルチャーショックでしたね、はい。みなさんも気を付けていただければと思います。

とまあこの辺で終えたいと思います。

また次回皆様にお会いできることを心待ちにして、Junpa lagi(またね!!)★

写真①:リハセンターに通っている左麻痺のおじさん。シーク教徒で生まれて一度も髪と髭を切ったことがないとか。

7-7①マレーシア川崎さん

写真②:リハセンターで行った障害児童を対象にしたペーパーバッグカラーリングコンテスト。

7-7②マレーシア川崎さん

写真③:マレーシアの大学で日本紹介イベントの際に、着物の着付けブースを開いたときのもの。イスラム教徒が頭に巻くトドン(マレーシアではこう呼ぶ)と着物のアンバランス感に萌える。

7-7③マレーシア川崎さん

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