青年海外協力隊として途上国に学びたい!“ガーナ池田理学療法士”
青年海外協力隊は決して技術支援をすることが目的ではありません。もちろん、それは大事ですが、途上国に学ぶという姿勢が非常に重要です。池田さんの協力隊参加の動機は、日本に疑問をもち他の国はどのようになっているのか知りたい、というものでした。
Ndo nawo(ンド ナオ)こんにちは。ガーナから理学療法士の池田がお届け致します。
私の配属先は、西アフリカはガーナ南部にある障害者職業訓練学校です。生徒の半数が身体又は、精神に障害があります。また、ここには障害児入所施設が併設されています。主な活動は、障害を有する生徒、子ども達へのリハビリテーションです。
シンプルに海外で働きたい
「なぜ協力隊を志望したのか」平成25年秋、応募書類を作成した時や、二次試験の面接のために、何度も何度も自問自答したのを思い出します。答えは単純に「海外で働きたかったから。」です。でも、それだけでは合格するはずがない。自分の過去を振り返りながら、何故海外で働きたかったのかを考えました。
その前に、何故PTになったのか。医療従事者の多い家族や親戚の中で育った私は、幼いながらも将来は医療従事者になると自然に考えていました。人と関わる仕事で、元気に動き回る仕事がしたい!と思っていた私には、PTが最適だと思いこの職を選びました。学生時代、病院実習をする中で、もっと長く、ゆっくり、じっくり、一人一人に関わりたいと感じ、就職に選んだ分野は、小児。実は、子どもが好きで、保育士にもなりたかったんです。自信を持って、この職と分野を選んで良かったと言えます。
さて、本題の協力隊志望動機。いくつかあります。
子供の笑顔が忘れらなかった
海外への興味は中学生の頃から持っていました。将来はハーフを産みたい!!とまで言っていました。転機は、大学2年生の夏休み。心理学の教授が支援するNGOの活動を見るために、ケニアに行った時です。スラム街や地方の学校、保育園を見学しました。印象に残ったのは、子ども達のキラッキラの瞳と笑顔でした。ああ、この笑顔を見るために、次はPTとして来よう。と思った瞬間です。
日本の福祉制度を客観的にみたい
もう一つは、重症心身障害児・者の入所施設で2年、医療型療育施設で3年働きましたが、物足りなさを感じていました。日本は福祉制度があり、制度により障害児・者は保障され、守られています。責任問題や、個人情報問題が厳しく、あまり勝手な事はできません。例えば、施設の子どもと外出することや、必要な時に学校や自宅に訪問する事等。何故、こんなにも守られる必要があるのか?逆に何も整備されていない国はどうなのかを知りたいと思いました。これが二つ目の理由です。
私は運よく第一希望の要請が通り、現在の配属先で活動しています。おそらくPTとして活動するにはマイナーな職業訓練校だからでしょう。あえてこの配属先を選んだのにも理由があります。日本では、特別支援学校の高等部の生徒を担当する機会が多くありました。彼等の卒後がとても気になり、障害者雇用に関してとても興味がありました。多くは、作業所やデイサービスに行きました。守られてはいるけれども、就職先の選択肢はとても少ない、あるいは無いに等しいと感じました。雇用に関しても、整備のない国はどうしているのかを知りたいと思いました。これが三つ目の理由です。
アフリカに耐えられる十分な体力と精神
極めつけに、最後の理由は、「持て余すほどの体力と精神力があるから。」です(笑)。この体力を自分だけの為に使うのは勿体無い、これだけの体力のある私がアフリカに行かずして誰が行くのか!?ぐらいに思っていました(笑)。
私の志望理由の大半は、「困っている人を助けたい!」ではなく、「活動を通して途上国に学びたい!」です。学ぶ姿勢を持って、日々活動しています。毎日、ガーナで生活する障害を有する方々から、多くの事を学ばせてもらっています。
来るべき任地に来たな。と日々感じています。
それでは、今日はこの辺で。さようなら。Mya ga do go(ミャガドゴ)