青年海外協力隊の活動の成果は何なのか?ホンジュラス濱田理学療法士
青年海外協力隊の活動の効果や成果を判定するのはなかなか難しい現実があります。時には協力隊自身がむなしくなる場面も少なくはありません。今回の濱田さんのエピソードは効果や成果を判定する一つのヒントになります。
¡Hola! Buenas tardes.(オラ!ブエナスタルデス!)こんにちは。ホンジュラスから青年海外協力隊、理学療法士の濵田がお届け致します。
日本人はよく「本音と建前」を使い分けると言われています。
では、ホンジュラス人はどうか?
僕の主観的な感覚では、ホンジュラス人は本音で良く人を褒めます。
ただ一方で人の意見を批判、否定する事を極端に嫌う傾向がある様に思います。
私の活動先の施設では、私を除き理学療法士が1名しか在籍して居ないため、理学療法士とのその他のリハスタッフとは技術・知識レベルに大きな差があります。
その様な問題に対応して、私の活動の1つはリハビリスタッフに対する技術・知識向上を目的とした研修会を定期的に実施しています。
ホンジュラスでの活動も10ヶ月を経過し、言いたい事も徐々に伝える事が出来る様になってきました。
何か発表を行い指導すれば、感心してくれるしその行為を褒めてくれます。しかし活動を行っていく中、ある時期から違和感を感じる様になりました。
この人達は、私の行いに対していつも褒めてくれて、その内容も理解しているように見える。ただ実際の臨床場面で、行動変容が起こらないのは何故だ?
本当に理解、納得をしているの?それはそんな疑問からでした。
ホンジュラスの方々は、本当に素直にお互いを褒め合います。
しかし一方で相手への気遣いからなのか、それ以上の意見を引き出す事は難しいです。
何かを意見する場面や指導する場面においては、
本当はどんな事を考えているの?と疑問と物足りなさを感じてしまいます。
手応えの無さから、スッキリしない日々を過ごしていた僕ですが、ある日に同僚からこんな質問を受けました。
「こういう時は、どんなリハビリをすれば良いって言っていた?教えて。」 こんな日常的な些細な質問だったのですが、私を変えてくれるには十分な一言でした。
私のやっている事は無駄ではないのだな。
見えにくいけれども、少しずつ行動変容が起こっているのかもしれないな。そして何よりも理学療法士として、信頼してくれきているのだ。と実感する事が出来たからです。
活動に対して思う様な行動変容が得られないのは、もちろん僕の問題です。
ただ国が違えば、文化も違う。そんな当たり前の事を忘れていたのかもしれません。
自分の想像していた反応を求めるのではなく、ここの人達なりの反応を感じ取ることの重要さを考えさせてくれた。そんな一言でした。
人を褒める事の難しさを感じる今日この頃。自分の意見をどこまでしっかりと主張するかどうかはさておき、ホンジュラスの方々の様に、素直に人を褒められるような人間になりたい。そんな事を思うホンジュラス生活です。
それでは、今日はこの辺で。Nos vemos(ノス ベモス)