井立STによるバングラデシュの福祉事情紹介
ভাল আছেন ? (ばろあちぇん?) 元気ですか?こんにちは。バングラデシュから言語聴覚士の井立がお届けいたします。
長い長―いスロープ!私の配属先NGO Center For the Rehabilitation of the Paralysed(CRP)にある1階から2階へと続くスロープ。上には季節の花の天井(トンネル?)が出来ています。
配属先のスタッフ総数は約600名。そのうち20%は車椅子・松葉づえなどを利用しているスタッフだそうです。
「バングラデシュはそんなに福祉について、発展してるの?!」と聞かれれば、そうではありません。やはりここ(配属先)が特別です。
庶民の足である「リキシャ」は人力車の自転車バージョン。車椅子ユーザーはどうやって、利用するのでしょうか。なんと自身がリキシャへ移乗した後、車椅子も一緒に乗っけちゃいます。
しかし、外に出てみると、道はゴミで溢れ、歩行者すれすれで行き交う車やバス。段差ばかりの歩道。都心部は人が多いため、車椅子ユーザーでなくても、歩くのには一苦労…。
村に行くと、リキシャも入れないような道があるとのこと。配属先でリハビリを終え、村に帰った患者さんはどのように生活をしてるのでしょうか。この追跡をすることが、私の中の一つの課題です。
配属先の医療費は「一緒に暮らしている人の人数」「年収」等で決められます。貧困層の人たちは、低価格でリハビリ費や入院費で済むようになっています。
そのため、バスで8時間かけてやってきて、リハビリのために入院したり、近くに住み、リハビリ期限終了とともに、村へ戻る人が多くいます。
村には設備の整ったリハビリ施設は少なく、また低価格でリハビリを受けることができる施設も少ないと聞きます。
また、バングラデシュのバス内や都心部で、よく見かける物乞い。物乞いをしている多くの人は障害者です。肢体切断者、盲目、重症やけど…など様々。
配属先で「職業訓練」の部署もありますが、実際に患者さんが村に帰って、学んだ技術を活かして、生活できているのか…ちゃんと社会参加できているのか、不安に思うことがあります。
まだまだ療法士が少ないバングラデシュですが、「患者さんの生活に合わせたリハビリテーション」を提供できる療法士が増えるように、少しでも力になればと思っています。
それではভাল থাকেন (お元気で)!