新しい青年海外協力隊療法士の活動の“カタチ”
タイには多くの日系企業が進出しています。
その数4,500社以上(2015年JETROホームページ)です。
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/fe4bde99ff9eb75e.html
私は協力隊応募の段階から、目標の一つとして「日系企業との連携」を掲げていました。
というのも、タイは今後高齢化が進むことは明らかですし、福祉企業が多く進出してくると考えていたからです。
当然ながら、協力隊員は任地の人のために活動するというのが第一の目標です。もちろん私もそれを第一に動いていますが、同時に現地で生活する協力隊員しか知りえないタイの情報を日系企業の方にも伝えようと思っています。
では、具体的にどうやって日系企業と関わりを持っているかというと、最初はバンコクに所用で上がった時に、日系企業の人が集まる会に参加することから始めました。
そこで多くの出会いがあり、企業の方と知り合いができました。福祉用具企業とも連携をとって、タイの福祉用具の使用状況をお伝えしたりもしました。
また、盤谷商工会議所が行っている医療分科会にオブザーバーとして参加させてもらったりしています。
同時に企業の方に当院まで見学に来てもらって、実際の現場を見てもらうことで、実情がどうなっているかを知ってもらったりもしています。
このようなことを1年以上繰り返していくと、人から人へ私の話した内容が広がっていきます。また、企業の方から声をかけてもらうことも増えました。
企業の方と会う時に大切なことは、臆せず自分の考えを伝えることです。「ボランティア」という立場から、どうしても自分自身の評価を低く捉えがちですが、ボランティアという立場だからこそ、知り得る情報がたくさんあるのです。その情報は企業にとっては宝のようなものであるかもしれません。
協力隊のイメージというと、任地にずっといて、現地の人としか関わらない、というのが強いと思います。実際それはとても重要なことです。
私もできるだけ任地で地域の人との出会いを大切にしています。
しかし同時に、税金できている私たちは、知り得た情報を自分だけの心の中でしまっておくだけでなく、どうやって日本へ還元していくかも重要であると考えます(特定の企業の利益誘導にならないようい配慮しています)。
「井戸掘り」をするイメージの協力隊の形だけでなく、今後は時代に合わせて「新しい青年海外協力隊のカタチ」が生まれていければいいなと思います。
執筆者:國谷昇平 作業療法士 2015年7月からタイ国へ作業療法士として派遣。shoheiのブログで現地の活動を積極的に発信しています。 |